免疫、膠原病、リウマチ、骨代謝等の勉強ブログ

免疫、膠原病、リウマチ、骨代謝等の勉強ブログ

デノスマブを使用する際にビタミンD製剤は天然型? 活性型? どちらが良い?

このテーマで、2つの論文が出ていた。いずれも日本から。

①J Bone Miner Metab. 2016 Nov 9.

Comparison of the effects of denosumab between a native vitamin D combination and an active vitamin D combination in patients with postmenopausal osteoporosis.

A群:デノスマブ+天然型ビタミンD製剤 VS B群:デノスマブ+アルファカルシドールの直接比較試験(12ヶ月後の骨密度 骨代謝マーカー)。

【対象】骨粗鬆症患者 127例(未治療/内服ビス/連日テリパラチド=28/59/40)

【方法】上記127例を主治医判断でA/B群に分けた。

【エンドポイント】BMDの変化、骨代謝、骨折率等で評価

【結果】ベースラインの年齢、BMD、骨代謝マーカー、既往治療に有意な差はない。12ヶ月後、A群に比べて、B群は腰椎の骨密度増加率は同等(A/B=6.4/6.5%)、股関節全体(3.3/3.4%)も同等だが、大腿骨頸部(1.0/4.9%)、遠位橈骨端(-0.8/3.9%)にて有意にB群で増加率が高い。既往治療にかかわらずこの傾向は認められた。骨代謝マーカーではTRACP5b、PINP,uc-OCは2群で同等だが、血清intact-PTHはB群にてより低下していた。低カルシウム血症の程度は不変。骨折率は8.3/4.5%と有意差無し。

⇒活性型ビタミンDはPTH産生を抑制することにより骨吸収を抑え、骨密度上昇?

【考察】ビタミンDの活性化の機序について、紫外線照射が、ジヒデロコレステロールを天然型ビタミンDに変換し、肝臓において、25位ヒドロキシ化され、その後腎臓において、1α25ジヒドロキシ化される。腎機能障害ではこの過程が障害されるので、アルファカルシドールは肝臓での活性化のみで機能する。天然型ビタミンDビタミンD不足の症例で正常腎機能患者でのみ効果があり、アルファカルシドールは、ビタミンD不足のみならず、腎障害患者でも効果が発揮される。

活性型ビタミンD3投与とPTHとの関係について

ビタミンD不足は(消化管からのCa吸収の抑制等により)、低カルシウム血症となり、二次性副甲状腺機能亢進症を来す。ビスフォスフォネート製剤投与中に活性型ビタミンDを併用しないと、PTHは上昇するが、併用すると減少させる。そしてintact PTH濃度の減少と骨密度が相関する。骨形成の観点では、活性型D3製剤(αカルシドール、エディロール)は骨形成を増やすが、天然型は増やさない(ラット、マウス)。これも皮質骨への影響の差の原因かもしれない。

【疑問点】大腿骨頸部、橈骨遠位端は皮質骨メインであり、この増加が、D3製剤の皮質骨の影響とあるが、骨形成マーカーに指標がないのはなぜか。PTHが下がることと、皮質骨のBMDが上がることの説明は? ⇒引用文献(J Am Geriatr Soc. 2007 May;55(5):752-7.Secondary hyperparathyroidism due to hypovitaminosis D affects bone mineral density response to alendronate in elderly women with osteoporosis: a randomized controlled trial.)この文献ではビス剤投与時に、ビタミンD欠乏があるのは好ましく無く、そのような場合には、活性型D3製剤を併用すると、intact PTHが低下し、腰椎骨密度が増加すると記載がある。頚部では有意差が出なかった(しかしD欠乏症例に限るとビスの効果が落ちるようである。)。他にも二次性副甲状腺機能亢進状態やビタミンD不足ではビス剤の効果が悪いとの論文は複数認めているが腰椎で差が出ている。今回皮質骨主体である、大腿骨頸部、橈骨遠位端にて差が出た理由は?? 違いはプラリアにあるのかもしれない。⇒次の論文でも同様に頚部で差が出ているのはびっくり。やっぱりプラリアの特徴かもしれない。

 

②Mod Rheumatol. 2017 Apr 11:1-4. doi: 10.1080/14397595.2017.1308454. 

Comparison of the effects of denosumab with either active vitamin D or native vitamin D on bone mineral density and bone turnover markers in postmenopausal osteoporosis.

Suzuki T, Nakamura Y, Tanaka M, Kamimura M, Ikegami S, Uchiyama S, Kato H.

A群:デノスマブ+天然型ビタミンD製剤 VS B群:デノスマブ+エルデカルシトール(エディロール)の直接比較試験(12ヶ月後の骨密度 骨代謝マーカー)。

【方法】50人の骨粗鬆症患者。ビス前治療18例。上記2群で一年間加療。

【結果】腰椎、股関節のBMDは変化ないが、大腿骨頸部のみ有意にB群で増加を認めた。TRACP5b、BAPの変化に差は無い。ビス剤前治療なしの検討でも同じ結果であった。

【考察】記載なし

 

デノスマブ+活性型D3併用 vs 天然型併用の臨床研究

アルファカルシドールでもエルデカルシトールでも、いずれも腰椎 股関節BMDでは変化なし、頚部、橈骨遠位端で有意に増加。ビス剤でのD3併用とは異なった結果。デノタスよりαロール/エディロールを出そうか。あるいは基礎のPTH,ビタミンDの値を見て検討か。慢性的なビタミンD不足、二次性副甲状腺機能亢進症には注意が必要。